文筆家 伊勢華子さんの話を聴きに行った。
彼女の最新作「サンカクノニホン -6852の日本島物語-」の制作話が中心。
日本は6852の島からできている。
うち422は有人島で、地図に載っていない島もたくさんある。
地図に載らない島に暮らしている人々は、どのような生活を送っているのか、何を思っているのか、
そんな疑問から彼女は60程度の島に足を運び、人々の暮らしに触れて、本を作った。
話に出てきた島をここでちょっと紹介。
■石川県の舳倉島(へぐらじま)
・海女による漁業が行われている。
・大陸と日本を往復する渡り鳥の休息地であるため、野鳥観察のメッカとなっている。
・三角形の結晶の塩を作る職人がいる。なぜ三角形になるのか、科学で証明されていない。
■北海道 焼尻島(やぎしりとう)
・1848年、日本で最初の英語教師となるラナルド・マクドナルドが漂着した島
・焼尻島といえば、オンコの木。
厳寒期の積雪の重み、厳しい季節風を受けるため、上に成長出来ず、横に広がっている。
・主な産業は漁業、畜産。サフォーク種(羊)の国内有数の産地
・独特の気候により、アジサイの花が散ることなく、凍結保存されるらしい。
■千葉県 仁右衛門島(にえもんじま)
・個人所有の島で、島主は代々「平野仁右衛門」を名乗る。現在38代目。
・石橋山の戦いに敗れた源頼朝をかくまったという伝説がある。
・平野さん家の子供は渡し舟で通学しているらしい。
他にも、
一週間に一便しか船の来ない島
教師の数が生徒の数より多い島
台風がよく通過する、気象庁による研究施設のある島など・・
同じ日本であるにもかかわらず、これまで目にしてこなかった
独特の自然が息づいており、独特の文化が育まれていたそうな。
島の人々は都会に憧れながらも、生まれ育った島に愛着を持っていた。
たとえ地図に載っていなくとも。
伊勢華子さんは、今回は「小島」を軸に、さまざまな人の生き方・考え方に触れ、本を書いた。
その前は、「宝物」を軸に世界中の子供たちの価値観に触れてきた。
自分の人生を考える上での、ヒントとなった。